下水処理由来の堆肥について

下水処理由来の堆肥について


1 管理人 2023-08-09 09:56

下水道に流れた生活排水などは下水処理場で様々な工程を終えたのち、綺麗な水へと生まれ変わりますが、全てが綺麗な水となり川や海などに還っていくわけではないのです。
 
なぜなら、水を綺麗にしてくれるために働いた微生物たちが、増えすぎて余剰となるため処分する必要があるのです。その微生物の集合物を一般的に汚泥と呼んでいます。
 
そのような「残ってしまった汚泥」が堆肥として利用されていることを知っていましたか?
 
本記事では、下水道で発生する汚泥(下水汚泥)を堆肥として有効利用することについて紹介していきます。この記事を読めば、以下3つのことがわかるようになるでしょう。
 
●  そもそも下水由来の堆肥とは何か?
●  下水由来の堆肥を用いるメリットとは?
●  下水由来の堆肥は環境に良いのか?


そもそも下水由来の堆肥とは

まずは、下水由来の堆肥について詳しく紹介していきましょう。
 
下水由来の堆肥、正式には「汚泥発酵肥料」とは、下水処理場での水処理工程で発生した汚泥を脱水し、それを堆肥化したものです。
 
日本は古くから、し尿を肥料として活用する文化がありました。つまり、下水汚泥の中にも、作物の育成に有効な成分が多く含まれているということです。
 
そのため昔から下水汚泥の堆肥化は行われていましたが、一般の方々にはあまり利用されてきていません。それは、やはり下水道や下水汚泥に関するマイナスなイメージが関係していると考えられます。
 
そんな下水由来の堆肥ですが、使用することで様々なメリットが存在しているのです。このメリットを正しく理解することができれば、下水由来の堆肥についてのマイナスなイメージを払拭できるでしょう。

下水由来の堆肥は、もともとは廃棄するはずであった汚泥から作られていますし、発生元が自治体の事業であるため、価格はかなり安価になり、手軽に入手可能です。
農業を営んでいる人や、堆肥が欲しいと思っている人は、「できるだけ安く良く効く堆肥を購入したい」と思っていることでしょう。
 
このような人が、下水由来の堆肥を利用することで、費用をぐっと抑えることができるため、経済的にもメリットがあるのです。
上記にて、この下水由来の堆肥は一般消費者に向けてはあまり流通していないと記述しました。ですが、この下水由来の堆肥を購入できる施設も、多く存在しています。
その1例としては、佐賀市下水浄化センターで販売されている堆肥であり、その価格は、10kg 20円です!!

https://kyowa-kako.co.jp/press/690/#:~:text=%E4%B8%8B%E6%B0%B4%E7%94%B1%E6%9D%A5%E3%81%AE%E5%A0%86%E8%82%A5%E3%80%81%E6%AD%A3%E5%BC%8F,%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82
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101 管理人 2023-08-09 09:58

人糞尿の肥料としての活用は、古代から行われていたかどうかはともかくとして、文献上では、927年の『延喜式』が初出で、播種前の施肥として使われていたとのことである。鎌倉時代になって、二毛作が行われるようになると、肥料の需要がさらに増え、人糞尿は追肥用にも使われるようになった。

1563年に来日したルイス・フロイスは、『日欧文化比較』の中で「欧州人は糞尿を汲み取り、便所を掃除してくれる人に金を払うが、日本では汲み取り人が糞尿を買い、米と金を支払っている」と書いている。人糞尿は、安土桃山時代には、既に商品になっていたのである。

人糞尿の商品化は江戸時代に本格化する。江戸は、18世紀初頭には人口の多さで世界最大級の大都市になったが、この巨大都市は環境破壊をもたらさなかった。海から陸への、そして陸から海への栄養還元により、江戸湾はすしの新鮮なネタとなる海産物であふれ、江戸周辺の田畑は、地力を衰えさせることなく、高い生産力を誇っていた。

日本人は、縄文時代から、魚介類やイルカや鯨を盛んに食べていたが、仏教が盛んになって肉食禁止令が出されるようになると、陸上の動物を食べることが少なくなり、ますます水中の動物を食べるようになった。江戸時代の農業は、水産物を食べ、排泄物を肥料として陸上に還元する回収型農業のもっとも純粋な形態である。

人糞は、窒素とリン酸を豊富に含むが、カリウムが不足しているので、カリウムが豊富な灰を混ぜて使われた。また、灰はアルカリ性なので、人糞尿だけだと酸性化しやすい土壌を中和化する働きもあった。干し鰯が肥料として使われることもあったが、人糞尿の方がはるかに安かったので、主流にはならなかった。

日本は、明治維新後、西欧諸国のまねをして、下水道法を作り、糞尿を生活廃水と一緒に管渠に集め、海域に捨てる計画を立てた。
https://www.nagaitoshiya.com/ja/2006/desertification-human-activities/
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102 管理人 2023-08-09 10:03

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https://www.mlit.go.jp/common/001280008.pdf
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103 管理人 2023-08-09 10:06

先進国の下水処理では、工場排水や台所などの排水とトイレからの排水が混ざってしまっているので、
そこから処理して作られた堆肥はある程度の有害物質を含んだものとなっている。

インドやアフリカなど、下水処理が行き届いていない地域で新しくインフラを整備するときに、
工場排水や化学物質が混ざる排水処理と、トイレからの下水を分けて処理することで、
有害物質のない下水処理由来の堆肥を作ることができるかもしれない。
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104 管理人 2023-08-09 10:09

下水汚泥資源の肥料利用の拡大
1.背景と現状

 我が国においては、主な化学肥料の原料である尿素、りん安(りん酸アンモニウム)、塩化加里(塩化カリウム)は、ほぼ輸入に依存しており、世界的に資源が偏在しているため、輸入相手も偏在しています。特に、りん安については、約76%を中国からの輸入が占めています(財務省「貿易統計」(令和3年7月~令和4年6月))。
 また、2021年半ば以降、穀物需要の増加や原油・天然ガス価格の上昇や、中国による肥料原料の輸出検査の厳格化等に伴い、肥料原料の国際価格が高騰しています。

スクリーンショット 2023-08-09 100743.png 155 KB


こうした状況の中、下⽔汚泥はリンや窒素等の資源を含有しており、特にりんについては、年間汚泥発⽣量 約230万t中に、約5万tを含有するなど、下⽔汚泥ポテンシャルを活かした肥料利⽤の拡⼤は、農林⽔産業の持続性に貢献するものとして期待されています。
下水汚泥資源の肥料利用は、大きくコンポスト化とリン回収の2種類の方法で行われており、現状、民間企業等への汚泥の処理委託を含め、約1,000処理場が実施していますが、複数の利⽤・処分の⼀つとして肥料利⽤を実施する処理場が多く、全汚泥発⽣量に対する肥料利⽤の割合は1割にとどまっています。
コンポスト化の課題としては、下水汚泥における重金属の含有リスクや、重金属等も含めた下水道へのネガティブイメージ及び散布・施肥方法に関するノウハウ不足による流通経路の確保等があり、リン回収については、消化汚泥から回収する方法や、焼却灰から回収する方法等が行われていますが、リン回収施設のコストが高い等の課題により、現状、5自治体(6処理場)での実施にとどまっています。
https://www.mlit.go.jp/mizukokudo/sewerage/mizukokudo_sewerage_tk_000555.html
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106 管理人 2023-08-09 10:18

下水処理由来の堆肥が異常に安いのは単に需要の問題なのだろうか?
それともそもそもコストがかからないのだろうか?
あるいは微量の有害物質を含んでいるため、業者が敬遠するのだろうか?
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107 管理人 2023-08-14 04:58

微細藻類の炭酸固定の効率化

下水排水の中には、窒素やリンといった生物生産に欠かせない元素が大量に存在する。例えば、資源の枯渇が懸念されているリンは、日本において年間46.7 ktが下水排水に流入しており、リン鉱石として輸入しているリン量を上回っている。このような排水中に流入した有用元素を活用し、微細藻類を培養し、炭酸固定の効率化や有用物質生産への応用を進めている(図2)。微細藻類のCO2吸収能を最大限高めるための資材開発に着手しており、微細藻類が来るべき炭素耕作社会において中心的な役割を果たすホストとして利用することを期待している。これまでに、東京農工大学が保有する微細藻類カルチャーコレクションより上記目的に適した微細藻類を網羅的に探索しており、下水排水中でも良好に生育できる NKG400013株、NKG021201株、NKH13株などを得ている。これらの株は、未処理の排水の水質浄化と、バイオ燃料原料の生産を同時に達成できる。
https://sp.coinext.tuat.ac.jp/project3/theme36/
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108 管理人 2024-10-25 21:36

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下水由来の堆肥は、もともとは廃棄するはずであった汚泥から作られていますし、発生元が自治体の事業であるため、価格はかなり安価になり、手軽に入手可能です。農業を営んでいる人や、堆肥が欲しいと思っている人は、「できるだけ安く良く効く堆肥を購入したい」と思っていることでしょう。
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https://kyowa-kako.co.jp/press/690/#:~:text=%E4%B8%8B%E6%B0%B4%E7%94%B1%E6%9D%A5%E3%81%AE%E5%A0%86%E8%82%A5%E3%80%81%E6%AD%A3%E5%BC%8F,%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%A7%E3%81%99%E3%80%82

すでに説明してあったな。よく読んでなかった。
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2 管理人 2023-08-09 10:33

Desertification_map.png 1.04 MB

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A0%82%E6%BC%A0%E5%8C%96

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https://tenbou.nies.go.jp/science/description/detail.php?id=97

下水処理由来の堆肥は砂漠化への対応策になるのか?
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201 匿名モードによる書き込みです。 2024-01-06 17:13


地球を潤すサハラの砂漠

中国の黄土高原やゴビ砂漠の砂塵が偏西風に乗って日本に飛来する。同様のことが地球の反対側でも起きている。アフリカのサハラ砂漠の砂塵が貿易風に乗り、大西洋を越えて南米アマゾンあるいはフロリダなどに飛来する。この砂塵が海洋に鉄を運び、アマゾンの熱帯雨林に栄養分を運ぶ役割を果たしているという。
 アマゾンが肥沃なのは砂塵のおかげだという仮説が有力視されている。このほか、地球の温暖化効果、冷却効果などさまざまな影響を砂塵が気候変動に与えていることもわかってきた。しかし現在のところ、アフリカの砂塵がもたらす広範で複雑な影響の全体像の解明は、最もすぐれたスーパーコンピューターをもってしても難しい。(日経サイエンス)
 北海道大学水産学部の松永勝彦教授(現在・四日市大学特任教授)は、海水中の微量金属を測定する研究を行っている。「海水中に溶けている微量の鉄が、海の生き物を育てるためにはとても重要な役割を果たす」と考えている。
 植物性プランクトンが育つためにはリンや窒素、ケイ素などの肥料分が必要だが、実は先に体内に微量の鉄を取り込まないと養分を吸収することができない。森で木の葉が腐って腐葉土になると、鉄イオンと結びついて、「フルボ酸鉄」という植物プランクトンに吸収されやすい鉄が出来る。これが川の水によって海に運ばれる。つまり、川の上流の森、特に広葉樹林が海の恵みにはとても重要なのだ。
 そして、海の中の植物プランクトンが増えれば、それを食べる動物プランクトンが増え、さらに動物プランクトンを食べる小魚が増え、それを狙う大型の魚も増えるという食物連鎖が成立。そこに豊かな海が生まれるという。
 サハラの砂がこうやって、地球全体の環境によい影響を与えているとは知らなかった。砂漠というと地球温暖化、砂漠化というあまりよいイメージがなかったが、見直すべき点があるのかもしれない。そういえば、黄砂についても、害ばかりだけでなく、日本海に豊かなめぐみをもたらしているという話を聞いたことがある。


黄砂がもたらす海の恵み

黄砂とは、特に中国を中心とした東アジア内陸部の砂漠または乾燥地域の砂塵が、強風を伴う砂嵐(砂塵嵐)などによって上空に巻き上げられ、春を中心に東アジアなどの広範囲に飛散し、地上に降り注ぐ気象現象である。

 黄砂は国境を跨ぐ範囲で被害を発生させ、しかもその程度や時期に地域差がある。発生地に近づくほど被害は大きくなり、田畑や人家が砂に覆われたり、周囲の見通し(視程)や日照を悪化させたり、交通に障害を与えたり、人間や家畜などが砂塵を吸い込んで健康に悪影響を与えたりするなど、多数の被害が発生する。海を隔てた日本でも、黄砂の季節になると建物や野外の洗濯物・車などが汚れるといった被害が報告されている。東アジア全体での経済的損失は、日本円に換算して毎年7000億円を超えるとされる。
 発生地に近いほど、砂塵の濃度は濃く、大きな粒が多く、飛来する頻度も高い傾向にある。モンゴル、中国、韓国などでは住民の生活や経済活動に多大な支障が出る場合があり、黄砂への対策や黄砂の防止が社会的に重要となっている。近年は東アジア各国で、黄砂による被害が顕著になってきているとされており、一部の観測データもこれを裏付けている。これに加えて、環境問題への関心が高まっていることなどもあり、黄砂に対する社会的な関心も高まっている。
 一方、黄砂が自然環境の中で重要な役割を果たしていることも指摘されている。飛来する黄砂は、洪水による氾濫堆積物や火砕物と並ぶ堆積物の1種であり、土地を肥やす効果がある。また黄砂には生物の生育に必要なミネラル分も含まれており、陸域だけではなく海域でもプランクトンの生育などに寄与している。
 黄砂の成分であるリンや鉄などが、海洋のプランクトンや、ハワイの森林の生育に関わっているのと研究結果もある。また、黄砂に含まれる炭酸カルシウムには中和作用があり、黄砂の飛来と雨が重なると、雨を中性・アルカリ性に変える。そのため、酸性雨の被害軽減にも寄与している。地力を失いやすい太平洋の古い火山島に養分を与えるプロセスの1つであり、黄砂の流れから遠い東太平洋ほど森林は失われやすいとの指摘もある。
 しかし、麦の病害である黒さび病や黄さび病の発生を媒介することも知られている。また、黄砂に吸着されて運ばれるさまざまな物質のうち、有毒な物質による生物への被害や環境汚染が問題視されている。

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202 匿名モードによる書き込みです。 2024-01-06 17:15

特定の地域の砂漠化を改善すると、他の地域の砂漠化が進行してしまうのだろうか?
砂漠化が進行するのはその地においての、植物が育つための必須栄養素のいずれかが欠乏しているからだろう。
ならば、砂漠化が進行した地域の土壌栄養素を調べて、どのような要素が足りていないのか知ることが重要だろう。
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203 匿名モードによる書き込みです。 2024-01-06 17:17

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